こんにちは。
突然ですが私は昨今のアクアリウム業界、特に大型魚界隈の衰退には本当に悲しいものを覚えています。
ここ数ヶ月でも閉店ラッシュが続き、輸入されてくる魚種も面白いものが減り、寂しさを感じますね。
そこで今回は「熱帯魚に興味はあるけど敷居が…」という方向けに、60cm水槽から始めるアクアリウムを記事にしていこうかと思います。
ちなみに私の自認はフィッシュキーパーです。アクアリストとは口が裂けても言えません。(隙あらば自語り)

私は中〜大型魚が好きですが、60cm水槽で飼育できる種にも沢山魅力的な魚は居ます。
「でかい水槽がないとダメなんでしょ」、「好きだけど最大サイズが大きいからなぁ…」なんて声もよく耳にしますが、実際飼育してみたら困るほど大きくなる種類の方が少なく感じますし、そういった種類を避ければよいだけの話です。
例えばパラクロミス マナグエンセなんかは最大サイズとされる65cmに到達させることはほぼ不可能でしょうし、最大49cmとされるシノドンティス オセリファーをそのサイズにしてみろと言われたら確実に無理だと言い切れます。
野外は野外、飼育下は飼育下で分けて考えて、「飼育下でどれほど育つのか?」で飼育種を選ぶ事が重要です。
むやみやたらに大型種の飼育を批判する風潮は、私は好きではありません。

話は逸れましたが、それではまず飼育環境を整えましょう。

私が実際に飼育してきて愛用している用品を挙げます。
手始めに、これだけ買っとけ!な用品を6個。

・GEX マリーナ幅60cm水槽 MR600BKST-N
安価に買える60cmレギュラー水槽です。
横60×奥行30×高さ36の使いやすいサイズです。
デュアルクリーンとのセットになっている商品は奥行きが少し小さいので注意しましょう。後述のセパレーターが使えません。

・GEX ガラスフタ 60-A
デュアルクリーンを置いた際にほぼピッタリ閉まる蓋です。
Bだと少し隙間が空くので要注意。

・GEX デュアルクリーン600 DC-600
安価かつ高性能な上部フィルターです。
初期装備のろ材には活性炭が入っていますが、薬浴をする際に邪魔なので何も入っていないウールに交換するとよいでしょう。
出水口のマスにサンゴや牡蠣殻を入れておくと安心です。

・水作 水作エイトコア L
サブフィルターの役割と同時に、上部フィルターのボンプが止まった時の酸素供給を担ってくれる優れもの(こっちの役割がメインまである)。
これを入れておくだけで水の透明度が増します。
使用には別途エアポンプとエアチューブが必要ですが、これはお好みの銘柄を選んで頂ければと。
筆者はエアポンプは安永ブロワーを使っていますが、水槽が少ない方は小型の1〜2穴のものでよいかと思います。

・ニッソー プロテクトプラス R-160W ヒーター+サーモスタット
ヒーターは事故が怖いので慎重に選びましょう。
個人的にはニッソーとテトラのものをよく使っています。
オートヒーターは便利ですが、温度を細かく設定できるサーモスタット付きのヒーターが使いやすくてよいでしょう。
水温の設定ですが、各々飼育種に合わせて設定してください。目安としては26℃が万能ではあります。

・シンセー コーラルサンド 中目(10番) 1L
60cm水槽であればひとつかみ水槽に入れておくだけで安心のアイテムです。
サンゴ砂はアルカリ性で、少し水槽に入れておくと急激なpHの低下を防いでくれるので死亡リスクを軽減できます。
細かいと扱いにくいので、10番位の粒の大きさが使いやすいでしょう。
ただし、酸性を好む魚には使用を控えましょう。

・ニッソー らくらくメンテ 水換えホースポンプ
この商品が、という訳ではありませんが、似たものであれば大丈夫です。
まあ昔からある水換えホースですね、これが一番使いやすいです。
プロホースは個人的にいまいち好きになれませんでした。

・ニッソー AQ ネット
こちらもこの商品だから、というのはありませんが、使いやすいネットです。
魚を掬うのやゴミ取りに使います。
お好みのサイズを選びましょう。

最低限これらのアイテムがあれば飼育出来るでしょう。

追加であると便利なアイテムとしては、

・GEX クリアLEDパワースリム 600
安価で使いやすいLEDライトです。
私はライトをあまり点けませんが、明らかに鑑賞性が増すのでおすすめです。

・スドー 夏子と冬子の部屋 3630型
60cm水槽を仕切る事ができるセパレーターです。
20cm位の魚なら60cm水槽を2部屋に仕切って飼育する事ができます。
一応、4枚入れて5部屋までは使えました。シクラソマ等荒い魚の幼魚を育てるのにはもってこいですね。
注意点としては付属の吸盤では物足りないので、別途20 x 9mmの吸盤を買い足して使うのをおすすめします。

・GEX アクアラックスチール600
60cm水槽を2段置きできるラックで、黒と白の2種類あります。
昔の製品は上段横に支えとなる出っ張りが付いていましたが、今のは無くなっており若干心配ではあります。
水槽とラックの間に滑り止めを噛ますと地震対策にもなりおすすめです。

・バスポンプ&対応する経のホースとホースバンド
これらがあると水換えに革命が起きます。
ホースとバスポンプを繋ぎ、ホースを排水場所に設置したらあとは電源を入れるだけ。好きなだけ水を抜けます。
その後はホースを蛇口に繋いでホースバンドで固定したら、なんと水槽に水を注ぎ放題。
水槽への注水に使う際は、注水側のホース先端にパイプを組んで水槽に引っかかる形にすると安心です。
これで辛いバケツリレーとはおさらばできます。

この辺りがおすすめですね。

底砂やレイアウトはお好みで入れてください。
私は何も入れないベアタンク派です。(メンテが楽)
底砂によって水質も影響されますので、特性を調べてから使うようにしましょう。
単独飼育で下手に隠れ家を入れると虚無を飼育する事になりかねないので、そこだけ注意してください。


そして餌ですが、私は以下の餌を愛用しています。

・キョーリン ひかりデイリー中粒
万能神餌。食いつきは種や個体により悪かったりしますが、太らせにくいしそれなりに育ちます。何より安い。
肉食傾向の強い魚は好まない事が多いですが、ナマズは比較的餌付きやすいです。
スネークヘッドには向かないかも?(成長が極めて遅くなる)
魚が大きくなったらこの餌に切り替える事が多いです。
ホムセンの錦鯉コーナーに大抵あるのも良い。

・キョーリン 咲ひかり 育成用 浮上
万能神餌その2。こちらはデイリーに比べ食い付きがよく、肉食魚も好んで食べてくれます。
ちょっと値が張るのに目を瞑れば基本こちらでOK。
粒サイズは用途に応じて使い分けましょう。
基本通販で買うことになるのがネック。

・キョーリン ひかり プロリア
粒が小さい金魚の浮上餌で、食い付きが良いので幼魚の育成に割と使います。
こちらも安くてホムセンの金魚コーナーで買えるので入手性◎。

・キョーリン ランチュウベビーゴールド
沈下性のらんちゅう用の餌で、高タンパクかつ食い付きが良いためこちらも幼魚の育成に使います。
太りにくい魚はこれをちまちま与えると吉。

・キョーリン らんちうディスク育成用
ランチュウベビーゴールドじゃ足りない!という時にこちら。
大容量でドカドカつかえます。

・日清丸紅飼料 おとひめ
爆速成長飼料。食いつきもよく高カロリーなのでめちゃくちゃ育ちます。しかも安い。
ただ、こればかり与えていると太ってしまうのと水がすぐ黄ばむのがネック。
ある程度おとひめで育てたら早めに咲ひかりorひかりデイリーへ切り替えるのが良いでしょう。
粒サイズはお好みで選びましょう。

・冷凍アカムシ
人工飼料イヤイヤ期にお世話になる餌。
正直あまり使う機会はないですが、頑固な魚はこれ。
早めに人工飼料に切り替えた方が栄養面でも安心なので、アカムシに甘えないようにしましょう。

・冷凍小アジorキビナゴ
スーパーで買ってきては冷凍して使っています。
ほぼ人工飼料の魚にもたまのバリエーションにもなりますし、餌付け前の魚にも使えます。
刻めば小さな個体にも使えるので便利ですね。

私は基本的に生き餌は使っていません。
どうしても必要な時はエビや小魚をガサガサで捕まえてきて使います。


次に普段のメンテナンスですが、基本的に水換えと食べ残しの除去になります。

水換えは入れている匹数にもよりますが、弱酸性〜弱アルカリ性の魚種であれば最低週1で半分以上の水を換えています。(私は9割ほど換えます)
汽水種を淡水飼育する場合や汚れに弱い種はもっと高頻度の水換えが必要になります。

食べ残しの除去は適宜行いましょう。
残していると水カビが生え不潔になります。

その他定期的に行うものとしては、コケ掃除と濾過層の掃除です。
コケは水槽が見えにくくなる前に綺麗にしておくと、魚の健康も確認しやすくなります。

濾過層は月1は確認するようにし、ウールが汚れていたら交換しましょう。
あまりに放置すると突然水質が崩壊し、大惨事になりかねません。

基本的な環境整備、管理はこんな感じでしょうか。
pHに極端にうるさい種でもない限り、少量のサンゴを入れてきちんと水換えしておけば特にトラブルは起きません。
魚を飼育しているとバクテリア云々を耳にすると思いますが、そんなのを気にするより水を換えた方が早いです。
濾過はあくまで物理濾過に頼るイメージです。

では最後に、60cm水槽で飼育するのに推したい魚種を5選。

①ヘリクティス カーピンテ(テキサスシクリッド) Herichthys carpinte
862F5A12-CA75-4425-BB0C-BBEEBF547351
エスコンディード産WF1
非常に美しく、また安価に入手できるシクラソマです。
単独飼育であればそんなに心配なく育ちますが、混泳すると若干弱い部分がありますので注意。
最大20cm程度と60cm水槽で単独飼育するにはもってこいのサイズ感です。
エスコンディード産として流通する個体は青みが強く、普通のブリード物よりおすすめです。
餌はなんでも食べますが、金魚の餌、鯉の餌が使いやすいでしょう。

②キノボリウオ Anabas testudineus
IMG_4607
インド産WC(分布的にAnabas cobojiusの可能性あり)
パッと見地味な魚ですが、肉厚フォルムでサイズの割に迫力があり、かっこいい魚です。
人にもよく慣れ、積極的に餌くれをします。
流通は少なめですが、割と安価なので買いやすいと思います。
非常に頑丈な魚で、強い魚との混泳にも耐えますし、空気呼吸が出来るため酸欠にも強いです。
極端な話プラケと水さえあれば飼えますが、水槽飼育の方が楽しいのでおすすめです。
最大25cmとされていますが、15cmを超えたら御の字でしょう。
餌はなんでも食べますが、金魚の餌、鯉の餌が使いやすいでしょう。

③ブラックシャーク Labeo chrysophekadion
IMG_2850
タイ産WC
個人的コイ科かっこいい魚ランキング堂々の1位です。
流線型の美しい体型に大きな背鰭、それに真っ黒な体色が合わさり最強の見た目をしています。
性質も最強で、混泳したならば弱い魚は皆殺し、強い魚の猛攻にも耐えるコイらしくない強さを誇ります。
なので、60cm水槽など置きやすい水槽で単独飼育するのが丸いでしょう。
最大90cmになる大型種ですが、飼育下では大きな水槽でめちゃくちゃ頑張ってやっと30cmを超えるくらいなので、60cm水槽で飼育している限りは20cmがいい所なのではないでしょうか。
本種の育成のコツは、1日複数回の餌やりと高頻度な水換えです。
ガンガン食わせてガンガン水換えをして、ようやく大きくなる…そんな種類です。
これを逆手に取れば、いつまでも小さく止める事も出来ます。
流通は少ないので、見かけたら即買いな魚です。
餌はらんちゅう用の沈下性の餌がおすすめです。

④シノドンティス エウプテルス(フェザーフィンシノドンティス) Synodontis eupterus
IMG_5139
東南ブリード
優雅な背鰭が見応えのあるシノドンです。
こちらも非常に安価な種で、1000円以下で買えるともしばしば。
こちらは最大30cmとされていますが、20cm位から成長が緩やかになり、60cm水槽では30cmに達することはないと思われます。
打たれ強いので、強い魚同士ならば混泳にも問題ない魚かと思います。
弱い魚は逆に本種が舐めてしまうかもしれません。
餌は何でも食べますが、金魚の餌、肉食魚用の人工飼料が使いやすいでしょう。

⑤リタリタ Rita rita
IMG_8362
インド産WC
最大150cmとも噂されるアジアの怪物ナマズ。
しかし、蓋を開けてみるととんでもなく成長の遅い魚です。
近縁の巨大種パンムーも同様で、Rita属は水槽では大きくなりきれないようです。
リタリタは20cm程のものを飼育した事がありますが、それは大きなタタキ池で勝手に育ったものだったようで、かなりスペース依存の種な気がしています。(そもそもリタリタ含むギギの仲間はその傾向が強い)
以上の事から、60cm水槽でも飼育可能な種だと言えるでしょう。
サイズばかり触れてきましたが、非常にかっこいいナマズでして育った個体の大きな背鰭は目を見張るものがあります。
安価で注目もされないナマズですが、とても良い魚だと思います。
ちなみに、パンムーとして流通するものも近年はほぼ本種です。
パンムーはサルウィン川に生息しているので、タイ便が来たタイミングで流通するRita属が居たら狙い目かもしれません。
餌は肉食魚用の人工飼料で問題ありません。

以上、おすすめの魚種でした。
他にもグリーンテラーやマーブルランサー、スチュワートスネークヘッドなど、推したい魚種は山ほどありますが…キリがないので自重します。
そしてなんか全体的に黒くて地味じゃね?と言われたらぐうの音も出ません。綺麗な魚あまり飼ってないんです…
でも!とてもいい魚達なので気に入った方は是非飼育されてみてください。

…これから始める方の参考になる記事を書けているか不安になってきました。
この記事を通して何が言いたかったのかと言うと、そんなに大きな水槽がなくても魚は楽しめるよ!という事でした。
水槽をもう1サイズ落として45cmにしても、また違った魚種で楽しむ事はできます。
メダカやグッピー、ベタなどの小型種だけでなく、ちょっと大きくなる魚達にも光が当たる事を祈りつつこの記事を終えることにします。

それでは。