こんにちは。
4年近く前にタウルスヒラタの飼育についてまとめた記事をupしましたが、あくまで大筋を解説したものだったと思います。
今回は産卵について掘り下げて解説していこうと思います。
他にも何編か構想はありますが、諸々成し遂げてから記事を書こうと思っていますので生暖かい視線で見守って頂ければと思います。
産卵についてはライバルもクソもないので、持論をいち早く共有したいと思い早々に記事にしてしまおうと思った次第です。

それでは早速本題へ。

一口に産卵させると言っても野外品なのか、飼育品なのかで対応が違います。
まずは野外品から解説していこうと思います。

野外品からの場合、特に大事な事は一旦持ち腹でセットを組みましょう。
これには大きなメリットがあり、まず第一に交雑リスクを軽減させる目的があります。

↑この記事で解説した通り、野外品のタウルスヒラタ(特にインドネシア便)は産地の取り違えが多発します。
ですので、持ち腹でセットをする事により万が一♂と︎︎♀の産地が違っていても交雑を防ぐ事が出来ます。

第二のメリットとして、ペアで購入した場合次世代の︎︎♀が羽化するまで♂を活かしておけば、掛け合わせてハーフではありますが別血統を確保する事ができます。
これは貴重な産地の場合にかなり有効です。

大きなメリットとしてはこの2つが挙げられますが、他にも入手後即セットできる、︎︎♀殺しのリスクがないなどいいことずくめです。

そして肝心のセット内容ですが、私はまずはマットのみでのセットを組みます。
マットは発酵の深いマットを強くおすすめします。
よくクワガタの産卵に使われる発酵の浅い無添加1次発酵マットは避けましょう。
熟度が安定していないためか、食べた幼虫がブヨブヨ病になりやすく産卵数も変わらないので使うメリットが薄いです。
ケースのサイズですが、私は定期的に卵で割り出すのでケースは小ケースが最適です。中ケース以上で組んでもトータルの産卵数はほぼ変わりません。

少し説明が長くなりましたが、セットとしては発酵の深いマットを少し多めに加水し、小ケースの7〜8分目まで固詰めするだけでOKです。
これにゼリーと︎︎♀を投入し、10日〜2週間のスパンで割り出していきます。
また、セット時の温度は最低でも20℃あるとよいでしょう。できれば23℃以上で組むと反応がよいです。

そしてここで野外品ならではのシチュエーションが出てくるのですが、1回目の割り出しをした時に持ち腹では産んでいない!という事がたまにあります。
この場合、2パターンの対応策があります。
1つ目は♂と同居させ追い掛けをする。もう1つは産卵材をセットに入れ、反応を見る。この2つです。

同居に関しては♂︎︎♀同亜種だな、と確信出来ている場合のみ推奨します。
同居したらすんなり産み始める事が多いので、かなり有効な手ではあります。

そして材を入れるパターンですが、初めから入れとけよ、アホかな?と思われる方が多いでしょう。
しかしこれには持論があって、本種を含む小型〜中型ヒラタの多くはマットのみでセットした方が産卵数を稼げる傾向にあるからです。
何故かと言いますと、材を入れると齧る→埋め戻すを繰り返して︎︎♀を無駄に消費させてしまいますが、マットですと掘り進んで好きな所にポンポン産んでいけるので︎︎♀への負担が少ないと考えられるからです。
そして材に産ませると材の表面に主に産卵しますが、マットであればその材の質量の分全て産卵可能なスペースとなりますので、その点でもマットのみの方が優れていると思っています。
また、定期的に卵で割り出すので、材を使うと何本も用意しないといけなくなり面倒であることも理由の一つではあります。
以上のことから、材を入れるのは産まなかった時の奥の手程度に考えています。
野外品の場合、材を入れると反応が良くなる︎︎♀もいますので反応が悪いな?と思ったら早めに入れてみるのも手ですね。

以上で野外品の場合の解説は終了です。
次は飼育品の場合。

飼育品はまずはペアリングからとなりますが、ペアリングは羽化後2〜3ヶ月を目安にしましょう。
サイズと管理温度にもよりますが2ヶ月くらいしたら餌を食べ始める事が多いです。
後食後2〜3週間もすれば十分ペアリング可能でしょう。

そしてペアリング完了したらセットとなりますが、基本的に飼育品はマットのみで考えて頂いて大丈夫です。
飼育品で材が無いと産まなかった経験は今の所ありません。

セット内容としては野外品のマットのみのセットと同じく、少し多めに加水した発酵の深いマットを小ケースに固詰めし、10日〜2週間のスパンで割り出します。

これで飼育品の場合の解説は終了です。
ここからは野外品、飼育品共に同じ工程になりますのでまとめて解説します。

私は本種を飼育するにあたり飼育レコードを狙う事を前提とした飼育をしていますので、最初期から管理に拘るために卵での割り出しをしています。
セット後10日〜2週間で割ると、大抵20個前後産卵している事が多いです。
ここで1桁代だったり、産んでいなかったりしたらセットを見直しましょう。
セット中は水分が飛びやすいので、それを調整する意味でも一旦この期間で割っておくのがよいと思います。

そして2回目の割り出しで前回と合わせて30〜40程確保出来ることが多いです。
その後3回目を組むと10〜15個産んでお亡くなりに…というパターンが多いです。
最初のセットでしくじっていたりして体力を浪費させていると思った様な数が採れない事もあります。

割り出した後の管理ですが、私は800ccのボトルか860ccのプリンカップに卵を10〜15個ずつ投入しています。
後は孵化が確認できたら幼虫を1本目へ投入していく流れになります。
卵〜幼虫の初期管理については確立できたらまた報告出来ればと思います。

以上、2025年現在の牡牛屋が考える最良のタウルスヒラタの産卵方法でした。
まだまだ改良の余地があると思いますが、本種と向き合った10年間の区切りとして記しておきます。
そして貴重な産地の本種をお持ちの方、是非とも沢山産卵させて流通させてください。私が喜びます。

それでは。