こんにちは。
今回は飼育記事という訳ではなく、注意喚起の記事を書こうと思います。
内容としてはタイトルにある通りなのですが、スマトラ島のタウルスヒラタ(原名亜種)とジャワ島のタウルスヒラタ(亜種gyphaetus)が混同されて流通しているのです。
Twitter(現X)ではしつこく言ってきたのですが、まだまだ浸透しておらず危機感を覚えたので、この記事を書くに至りました。

なぜこんな事になっているのかと言うと、恐らく現地ストックの段階で取り違えられており、野外品の販売時にはスマトラ島とジャワ島のものがごちゃ混ぜになって販売されている事が多々あります。
店頭販売ならまだしも、通販では届くまで見抜きようがないのでその点でも困ったものですね。
そしてWF1にも注意が必要で、上記のような取り違えられた野外品を購入した人が同定せずにそのまま間違えた産地で販売しているのをよく見かけます。
幸い?本種は人気がなく、累代を続ける人も少ないため現状大きな問題にはなっていませんが、本気で本種に取り組んでいる身としては亜種間交雑が出回るのではないかという不安に駆られてしまいます。

という訳で、前置きが長くなりましたがスマトラ島とジャワ島の見分け方を記しておこうと思います。
野外品を買われた方は是非とも参考にして頂けると嬉しいです。

・スマトラ島 原名亜種

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♂の歯型は変異が多く、同定のアテにはしない方がいいです。
ジャワ島のものに比べ全体的に体表の点刻が目立ち、上翅にツヤがない事が分かりやすいポイントになるかと思います。

︎︎ ♀
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ジャワ島のものに比べ上翅の点刻が翅の中央までしっかりと入ります。
また、体型も細身の傾向があります(飼育品はこの限りではない)。

・ジャワ島 亜種gyphaetus

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長歯型、中歯型共に内歯下がりで、体型は横幅が広いです。
スマトラ島のものに比べ全体的に体表の点刻は細かく、上翅にツヤがあるのが1番分かりやすいポイントになるかと思います。

︎︎ ♀
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上翅の中央付近の点刻がなく、スマトラ島のものに比べツルツルとした印象を受けます。
また、体型は丸みを帯びています(こちらも飼育品ではアテにならない)。

個人的に見分ける時に見ているポイントしてはこの辺りでしょうか。
超雑に要約すると、スマトラ島・ジャワ島のものを買ったらまずは♂︎︎ ♀共に上翅に注目し、♂は光沢があるようならジャワ島、なければスマトラ島。︎︎♀は上翅中央付近の点刻がなければジャワ島、あればスマトラ島。これですぐに分かると思います。
ただし、野外品はスレて光沢が無くなっている事もあるので、きちんと一つ一つ要素を押さえて同定しましょう。

最後に、厳しい言い方になりますが、「スマトラタウルスとジャワタウルスは買ったものをそのまま信用するな」これに尽きます。
安価な虫ほど雑に扱われ、取り違えも多発します。
入手したらまずは同定、分からなければ1サイクル回して再同定。これくらいの心構えで挑みましょう。
残念ながら現地や輸入業者に改善しろ!と言って改善する問題でもないので、我々飼育者がレベルを高めていかないといけないのです。
同定する自信がない、リスクは避けたいと言う方は多少高くとも飼育品を購入することを強くお勧めします。

長々と書いてしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
1人でも多くの飼育者に伝わる事を祈っております。
それでは。